2014年7月17日木曜日

アントロポゾフィーのガン治療「ヤドリギ療法」①

セラピストの千田恵子です。

アントロポゾフィー医療や看護のお話を断片的にご紹介してきました。

今回は「癌」治療について。

今週末は愛知県豊田市にあります「あげつまクリニック」での
アントロポゾフィー医薬実践セミナーに参加します。

そのテーマが「人間存在における癌の意味~アントロポゾフィー医学の腫瘍学~」です。

講師はイタリアのアントロポゾフィー医師であるフランカルドさん、
通訳は入間カイさん。

3日間のおもな内容は、
・前癌状態からの癌予防
・イスカドール(ヤドリギ療法」の適応
・癌治療への個別的アプローチ

ということで、
来週はこのセミナーのご報告ができるかと思います。

会場のあげつまクリニックは昨年末にシュタイナー建築の新館が完成し
Novaliumという名称、ここでのセミナー受講も楽しみです。

今回はそのセミナーのテーマに関連して
「ヤドリギ療法」のことを少しご紹介します。

いつものように「地球人15号」からの抜粋です。

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<「地球人15号」から抜粋>

シュタイナーの考案で生まれた最大のガン治療薬は
「ミステル」と呼ばれるヤドリギ製剤です。

ヤドリギはヨーロッパではヒポクラテスの時代から種々の治療薬として
使われてきた歴史があります。

ヤドリギは奇妙な球形の形態で宿主木に半寄生する植物です。

通常の植物は
根は重力に従って地下地球の中心に、
葉や花は光に向かって成長します。

しかしこの植物は、地球の重力にも宇宙からの光エネルギーにも依存しない
独自の形態(球形)を常に保持し、
夏はもちろん宿主木が葉を落とし枯れ木のようになった冬でさえも
青々と存在しています。

冬のヤドリギを見ると、
人体におけるガンのイメージと非常に類似していますが、
ヤドリギは宿主木を枯らすことなく、
むしろ宿主木を長生きさせると言われています。

このヤドリギの夏のエキスと冬のエキスをシュタイナーの指示のように合わせ、
希釈あるいは発酵させて作ったのがヤドリギ製剤ミステルです。

ドイツでは国内のガン患者の6割が何らかの形で
このミステル製剤を使用していると言われるほど
ポピュラーな製剤です。

ミステルは他の一般的な免疫療法薬と同様、
熱を伴う軽い炎症反応を引き起こします。

その主たる有効成分は
細胞毒性、細胞変性効果をもち
ネクローシス(壊死)を惹き起こすレクチンと、
強力な免疫刺激物質であり
アポトーシス(自死)を促すビスコトキシンですが、
抗ガン作用と免疫強化作用を同時にあわせもつ製剤は
他に類を見ないものです。

製薬会社によって
製剤にはそれぞれ製造法やこの二つの主要成分の割合などに違いがあります。

また、宿主木ごとに
適応が異なり、
性別、原発臓器、病期、体調などに合わせて
使用製剤を選択します。

ミステルの主たる効果は
免疫賦活作用とガン細胞に対する細胞毒性による
①ガンに対する直接の効果ですが、
臨床的に重要なのは
②通常ガン治療の副作用の軽減、
③QOLの改善(睡眠、食欲の改善、気分の向上、痛みの軽減など)と
④生存期間の有意な延長です。

通常、定期的な皮下注射で用いられる、
注射局所の発赤や腫脹のような炎症様の反応と共に、
⑤全般的な体温上昇や、体温や睡眠のリズムの規則性の回復が徐々にみられます。

これらの様々な効果は発病の早期から長期間にわたって使用するほど
著明です。

そのためにガンの通常療法に先だってミステル療法を導入し、
同時併用で長期にわたって使用することが望ましい。

しかし、そのような理想的な使い方が不可能な場合にも、
どのステージにおいても有用な効果に浴することが可能です。

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ヤドリギ療法を受けている方は
日本ではまだまだほんのひとにぎり・・・
アントロポゾフィー医療を学んで実施している施設や医師の
処方によります。

次回はこの続きを。






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