セラピストの千田恵子です。
これまでアントロポゾフィー医療や看護のこと、
アインライブングのこと等をお伝えしてきました。
今日はアントロポゾフィー医療で使われる医薬品のことを
お伝えしたいと思います。
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体調が悪い時、動きたくなくて休みますね。
でも、どうしてもの用事がある場合や早く元気になりたい時、
例えば頭痛が起こった時は、鎮痛剤を使ったら痛みは消えて頭痛は治ったと
勘違いしてしまいます。
体の不調は「ヘンですよ」という信号ですが、
鎮痛剤等でそれを感じることができなくなってしまいます。
それで「もう治った!」と、回復を待たずに動き続けたりすると、
薬の効果が切れた時、かえって悪化している事態を招きかねません。
その時に起きている不調の部分だけを取り除くだけではなく、
回復のプロセスを早めることが大切です。
アントロポゾフィー医学で使われる医薬品は現在使われているすべての医薬品も含みます。
アントロポゾフィー医学は現代医学の否定ではなく、
「拡張」です。
この拡張された部分に適応する治療薬として作られたのが
いわゆる「アントロポゾフィー医薬品」です。
人間をアントロポゾフィー的な観点から理解し、
それぞれの構成要素(肉体、エーテル体、アストラル体、自我機構)のプロセスに
働きかけるように創りだされました。
医師によるアントロポゾフィー的診断によって
処方されます。
これらの治療薬は回復のプロセスに働きかけるための「プロセス」を
自然界から取り出し、さらに発展させたものです。
そこには「有効成分」という考え方は存在していません。
「成分」で治療するのではなく
「プロセス」で治療します。
末端に現れた症状を消すのではなく、
なぜそのような症状が現れるに至ったのか、
そのプロセスを理解し、
正しく自分になるプロセスの投与を行います。
プロセスを正すプロセスを自然界のなかに求めますが
ほとんどのものはそのままでは使えません。
そこに人間が関わることによって、
治療薬へと発展させるのです。
鉱物界、植物界、動物界のなかには
人間のなかで起こっているプロセスを特化したものが存在しています。
特に金属製剤は惑星とミクロ・コスモスである内臓との関係を
アントロポゾフィー的にとらえて生み出された、
未来の医薬品ともいうべきものです。
ここでは植物を例にとってみます。
普通に発芽し、根を張り、茎をのばし葉を付け、
一番上に花を咲かせ、実がなるような植物は
「普通の植物で眺めて楽しむのに適していますが、
薬用にはなりません。
薬用となる植物は例えば、
普通は色も香りもほとんどない根に
色や香りを持っていたり、
大きく膨らんでいたり、
あるいは花の上にさらに茎を伸ばしたり、
どこかの部分が極端に大きかったり、
細かく分かれていたり、というように、
その成長プロセスが「普通ではない」植物です。
これらの「特化したプロセス」を使うのです。
このプロセスの取り出し方にはさまざまな独特の製法があります。
成分ではなくプロセスを取り出すためには
その植物の本質を近いする必要があります。
植物の姿形に現れているのはその植物の背後で働く
本質的な力です。
特殊な能力がなくても、
それらの力は観察と思考によって理解することができます。
アントロポゾフィー薬学が自然界の力を利用して、
身体を完全に自分のものとすることを目指すのは、
この地上で、妨げられることなく、身体以上のレベルで本来の自分を
発展させることができるようになる為です。
このアントロポゾフィー薬学というこれまでになかった治療薬の考え方が
日本の医療界と人々の中に新たな光をもたらすことができればと願っています。
<「地球人 15号」より抜粋>
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